【対談ブログ第1弾】筋ジストロフィーとの向き合い方 ゲスト:大西修平さん 第2回

おひさま対談ブログでは利用者様のそれぞれのユニークなエピソードを発信します。

「自分らしく生きる」をテーマに、皆さんの人生観や夢、病気との向き合い方など興味深いお話をしていただきます。

 

今回のゲストは大西修平さん!

大西修平さんの対談ブログは全3回。今回は第2回、前回の続きです。

今回のテーマは「筋ジストロフィーとの向き合い方」です。

 


 

大西修平さんは筋ジストロフィーという難病を抱えています。

病気が発症したのは小学校1年生の時。

どのように病気と向き合ってきたのか、どのような人生だったのか、お話ししていただきました。

 


 

 

前回の「筋ジストロフィーと留学」はお楽しみいただけましたでしょうか。

前回、そして次回はこちらからご覧いただけます⬇️

大西修平

1986年、東京都生まれ。

小学校一年生でデュシェンヌ型筋ジストロフィーを発症。

高校卒業後、一人でハワイへ渡米。ホノルルで三年間の留学生活を送る。

帰国後は福祉業界に関わりつつ、障がい者の留学支援を行っている。

手や足を動かすための筋肉の組織が壊死と再生を繰り返す遺伝性の筋疾患の総称。

進行性で、筋力の低下や筋の萎縮などをもたらす。

有病率の正確な統計はないが、人口10万人あたり約20人の患者がいると言われており、難病に指定されている。

Doctors File 「筋ジストロフィー」(2019/10/23

病気の進行とどう向き合ってきたのか。

 小学校一年生で病気が分かった時に、「あなたは20歳で死ぬからね」と言われたんです。

でも、小学校一年生でそんなことを言われてもいまいちピンとこなかったし、割と性格もボーッとしてたから、そこに対して何も考えなかったですね。

考えなくてもいい環境でもありましたし。

 

 それでもできないことは増えていきました。車椅子になって、寝返りが打てなくなって……

そんな感じに進行はしてましたが、「20歳で死ぬ」ということはわかっていたので、あくまで「そういう段階なんだ〜」という感覚でした。

受け入れる、受け入れないというより、そういうものなんだっていう。

 

 そんな感じで生きてきたから、病気の進行に対してそんなにショックはなかったです。

逆に言ったら、「事故で急に車椅子とか、突然足がなくなりました」みたいな方がショックは大きいのかもしれないですね。

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自分が死ぬと言われていた20歳の時はどう思ったの?

 20歳になったときはちょうど留学中でした。

留学して大学に行って、いろいろなことを学んで社会を理解していく中で、やりたいことが増えていって。

その時、「もうちょい生きたいな」という気持ちは湧きました。

 

 実は、留学に行くまでは自分の病気のことについて詳しく知りませんでした。

病院も小児科に通っていて筋ジス専門ではなかったし。

 

 留学から帰ってきて、初めて筋ジス専門の病院に行って、そこから理解をし始めました。

小学生で「20歳で死んじゃうよ」って言われた時より医療は進歩していて、20歳ではなくて20代、30代も生きている人もいるっていう話を聞きました。

おかげさまで、今は34歳ですが生きています。

同じ病気を持った弟さんがいたんだよね?

僕は三人兄弟で姉と弟がいます。

弟は同じ筋ジスでしたが、彼が26歳の時に亡くなりました。5年くらい前ですね。

その時はどう思った?

 自分も弟もいずれ死ぬということをわかって生きていました。

だから、亡くなった時はもちろん悲しかったけど、それもわかっていたことだったので……。

ただただ受け止めたという感じです。

 

 ただ、死ぬことがわかっていたとは言っても死ぬ時がとにかく急で、病状が急変して、3日後くらいに亡くなっちゃったんですよ。

 

 その半年前にも危ない状態の時があったんですが、その時は復活したんです。

僕が「結構しぶといな、意外と死なないね(笑)」って言ったら、「ヤベッと思ったけど、なんか帰ってきたわ(笑)」とか言って弟も笑ってましたね。

 

 実際に亡くなったときは、その時ほど危ない状態ではなくて、ちょっとした風邪くらいの感じだったんです。

すぐ大丈夫になるだろうと思っていたので、お見舞いには行きませんでした。

大丈夫だと思ったんだけど、実はそんなに状態は良くなかったみたい。

大西くんって死を受け止めている感じがするよね。達観しているというか。

 ちょっと関係のない話になるかもしれないですが、僕は無宗教で死んだら天国どうこうとかいうのは信じてないんですよ。

死んだら「はい終わり!」という捉え方なので、死んだら大西家の墓に入りたくない。

実家にチーンって鳴るやつ(お鈴)が置いてあるんですけど、それも気持ち悪いからやめてほしいです… ()

 

 「線香とかも気持ち悪いからやめてくれ」って言ったら、「お鈴だけ置かせてくれ」と。

お客さん用に置いているらしいんだけど、誰かがチーンとしているのを見るたびに僕は「何してるんですか?」って聞くんです。

「もう死んじゃってますよ?」って(笑)

「お鈴を鳴らすと気持ちが治るんだ」と言われると、まあそれも人それぞれか、と思っています。

 

 この間は実家に帰ると、チーンの後ろに木の箱が新しく置いてあって「何だこれ!!!」ってなりました(笑)

生きている今、モットーとしていることはある?

楽しく生きる」

 最近変わったんです。

今までは「いろんなことにチャレンジしたい」とか意欲的だったけど、今はマイペースに、やりたいことをしながら楽しく生きられればいいかなって。

ということで、第2回「筋ジストロフィーとの向き合い方」はいかがでしたでしょうか。

ライターは今21歳ですが、もし自分が20歳で死ぬと言われていたら、と考えると、正直恐ろしくなってしまいます。

きっと、どんなことも受け止める器の大きさが大西修平さんをより魅力的にしているんですね。

 

さて、次回は最終回「訪問看護との出会い」です。

タイトルの通り、訪問看護との出会い、そして留学中にあった面白いエピソードについてもおまけでお話ししていただきました!

お楽しみに!